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江戸時代前期の政治と経済・文化の一問一答と流れの解説

文治政治と財政、全国の流通と都市、元禄文化をたどります。まず流れの解説を読み、一問一答(30問)と、用語から説明を選ぶ4択で確認します。

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一度の正解は「正解済み」、別の日にも正解すると「定着」と表示します。

流れの解説

家綱の統治と江戸の再建

第4代将軍徳川家綱の時代には、大規模な戦争が少なくなった社会を維持するため、法と秩序を重視する文治政治が進みました。武士の役割も戦闘だけでなく、領内の行政や財政を担う仕事に広がりました。1663年には主君の死に際して後を追って自死する殉死が禁止されました。家臣が主君個人に従う関係を残しつつも、家と職務を継続させることが統治に必要だったのです。

1657年の明暦の大火は江戸の市街へ大きな被害を与えました。再建では建物や寺院などの配置が見直され、都市の規模も変化しました。江戸は将軍の居城を中心に、大名や家臣、多くの町人が暮らす巨大な消費地でした。都市を維持するには防火や交通、食料と日用品の供給が必要で、幕府の政治の安定は都市の生活を支える行政とも結び付いていました。

綱吉の政治と貨幣

1680年に将軍となった徳川綱吉は、儒学を奨励し、人や動物の生命の保護などを求める生類憐みの令を出しました。法令の始期には異なる扱いがあるため、ここでは一つの年を示しません。側用人の柳沢吉保は将軍の近くで政務に関わり、側近を通じる政治が展開しました。文治政治は、単に戦争がないという状態ではなく、人々の行動を法や教えによって規制する統治でした。

幕府の支出が増える中、貨幣の改鋳によって財政収入を得る政策も行われました。荻原重秀は勘定吟味役として元禄の貨幣改鋳を進め、のちに勘定奉行となりました。貨幣に含まれる金銀の割合を変える政策は、幕府の収入だけでなく、市場に出回る貨幣や物価にも関わりました。役職の就任と改鋳の時点を区別し、すべてを勘定奉行として行った仕事にはまとめません。

正徳の治と対外貿易

第6代将軍徳川家宣と第7代将軍徳川家継に仕えた新井白石は、政治と財政の立て直しを図りました。この時期の政治は正徳の治、または正徳の政治と呼ばれます。貨幣の質や礼儀・制度を整える政策を進め、海外貿易による金銀の流出にも対応しました。国内で使う貨幣と、外国の商品に支払う金銀は、幕府の財政を通じてつながっていました。

1715年、家継の時代に海舶互市新例が出され、長崎での中国船とオランダ船の数や取引額が制限されました。貿易をなくす政策ではなく、取引を管理して金銀の流出を抑える政策でした。海外からの商品への需要は国内に存在し、幕府は市場の動きと貨幣の供給の双方に対応する必要がありました。こうした問題は次の享保期以後の財政政策にも続きました。

開発・交通と三都

農村では新田開発や農具の改良が進み、米に加えて商品作物も生産されました。都市の人口と需要が増えると、農村は年貢を納めるだけでなく、市場へ売る物を作るようになりました。江戸は政治と消費、大坂は全国の米や商品の集散、京都は朝廷と伝統的な産業の中心で、この三都市を三都と呼びます。大坂が天下の台所と呼ばれたのは、広い地域から商品が集まる流通の役割によります。

河村瑞賢は東廻り・西廻りの海運航路を整備しました。大坂と江戸の間では、日用品などを運ぶ菱垣廻船と、酒の輸送を中心とする樽廻船が活動しました。陸上では日本橋を起点とする五街道が整い、東海道は太平洋側で江戸と京都を結びました。飛脚は手紙や荷物を運び、両替商は貨幣の交換と金融を担いました。物資だけでなく金銭と情報が移動することで、地域の市場は全国の取引へ結び付きました。

町人の経済力と元禄文化

上方の町人を中心とする元禄文化は、都市の商業と出版、興行の発達に支えられました。井原西鶴は好色一代男や日本永代蔵などで、恋愛や商人の生活を描きました。松尾芭蕉は俳諧を発展させ、おくのほそ道に旅と文学を結び付けました。作品を読む人々や句を作る人々の交流が広がり、都市の文化は土地を越えて伝わりました。

近松門左衛門の曽根崎心中などは人形浄瑠璃の舞台で上演され、観客の関心と興行の仕組みが作品を支えました。菱川師宣は浮世絵の発達に関わり、見返り美人図でも知られます。文学・演劇・絵画はそれぞれ異なる形で町人の生活や装い、感情を表しました。町人の富と需要が文化を広める一方、武士や寺社の学問や芸術も並存し、都市の文化は複数の担い手によって作られました。

出版には文章を書く者だけでなく、版木を作る職人や本を売る商人が関わりました。興行も演者、劇場、資金を出す者と観客によって成り立ちます。全国の交通と通信が整うと、作品や評判が遠方へ伝わる条件も広がりました。都市で生まれた文化が農村へ届き、農村の生産と支出が都市の商業を支える関係ができました。町人文化の発展は政治がなくなったことを意味せず、幕府の秩序と都市経済の中で、生活や感情を表現する活動が広がった結果でした。

一問一答

問題一覧を開き、答えの帯を押すと答えが出ます。

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  1. 1
    江戸幕府の第4代将軍として、武力による威圧から法と秩序による統治へ移る時期を担った人物は誰か。
    徳川家綱
  2. 2
    江戸時代前期、法や学問を重視する統治のあり方は何か。
    文治政治
  3. 3
    1657年、江戸の市街を広く焼き、都市改造の契機となった火災は何か。
    明暦の大火別解:振袖火事
  4. 4
    江戸幕府が1663年に禁止した、主君の死に際して家臣が後を追って自死する行為は何か。
    殉死
  5. 5
    江戸幕府の第5代将軍として、儒学を奨励し、動物の保護を命じた人物は誰か。
    徳川綱吉
  6. 6
    第5代将軍徳川綱吉が、人や動物の生命の保護などを目的に出した一連の法令は何か。
    生類憐みの令別解:生類憐れみの令、生類憐み令
  7. 7
    第5代将軍徳川綱吉の側用人として権勢を持った人物は誰か。
    柳沢吉保
  8. 8
    第5代将軍徳川綱吉の時代、勘定吟味役として元禄の貨幣改鋳を進め、のち勘定奉行となった人物は誰か。
    荻原重秀
  9. 9
    第6代将軍徳川家宣・第7代将軍徳川家継に仕え、政治の立て直しを図った儒学者は誰か。
    新井白石
  10. 10
    第6代将軍徳川家宣・第7代将軍徳川家継の時代、新井白石らによる政治は何か。
    正徳の治別解:正徳の政治
  11. 11
    1715年、長崎貿易で中国船やオランダ船の数・交易額を制限した法令は何か。
    海舶互市新例別解:長崎新令
  12. 12
    江戸時代、江戸・大坂・京都をまとめた呼称は何か。
    三都
  13. 13
    江戸時代、全国の米などの商品が集まり、天下の台所と呼ばれた都市はどこか。
    大坂別解:大阪
  14. 14
    17世紀以降、徳川将軍の居城を中心に発展し、巨大な消費地となった都市はどこか。
    江戸
  15. 15
    江戸時代、朝廷の所在地で、織物などの伝統産業が発達した都市はどこか。
    京都
  16. 16
    17世紀、東廻り・西廻りの海運航路を整備した商人は誰か。
    河村瑞賢
  17. 17
    江戸時代、大坂と江戸の間で日用品などを運んだ、船体の側面に格子模様を付けた船は何か。
    菱垣廻船別解:菱垣回船
  18. 18
    江戸時代、大坂と江戸の間で酒の輸送を中心に発達した船は何か。
    樽廻船別解:樽回船
  19. 19
    江戸時代、江戸の日本橋を起点に整えられた主要な陸上交通路の総称は何か。
    五街道
  20. 20
    江戸時代、江戸と京都を太平洋側で結び、宿場が整備された街道は何か。
    東海道
  21. 21
    江戸時代、手紙や荷物を速く運び、通信を担った職業は何か。
    飛脚
  22. 22
    江戸時代、貨幣の交換や金融業務を営んだ商人は何か。
    両替商
  23. 23
    17世紀末から18世紀初め、上方の町人を中心に発達した文化は何か。
    元禄文化
  24. 24
    江戸時代前期、好色一代男や日本永代蔵を書いた浮世草子の作者は誰か。
    井原西鶴
  25. 25
    江戸時代前期、おくのほそ道を書き、俳諧を発展させた俳人は誰か。
    松尾芭蕉
  26. 26
    江戸時代前期、曽根崎心中などの人形浄瑠璃を作った劇作家は誰か。
    近松門左衛門
  27. 27
    江戸時代前期、見返り美人図で知られ、浮世絵の発達に関わった絵師は誰か。
    菱川師宣
  28. 28
    第4代将軍徳川家綱の時代、明暦の大火が起こった年は何年か。
    1657
  29. 29
    第5代将軍徳川綱吉が将軍に就任した年は何年か。
    1680
  30. 30
    第7代将軍徳川家継の時代、海舶互市新例が出された年は何年か。
    1715

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