江戸幕府の改革と社会の変化の一問一答と流れの解説
幕府の改革と商品経済、社会の変化と学問をたどります。まず流れの解説を読み、一問一答(30問)と、用語から説明を選ぶ4択で確認します。
一度の正解は「正解済み」、別の日にも正解すると「定着」と表示します。
流れの解説
吉宗の財政再建と行政
1716年に第8代将軍となった徳川吉宗は、享保の改革を進めました。幕府の収入を確保するため倹約や新田開発を行い、大名に米を納めさせる上米の制を設けました。その代わりに江戸での滞在期間を短くすることで、大名の負担のあり方を調整しました。役職に就く者の禄が不足する場合には、在職中だけ補う足高の制を用い、家の収入だけに依存しない人材登用を図りました。
目安箱は庶民の意見を集める窓口となり、小石川養生所は貧しい病人を救済する施設として設けられました。1742年の公事方御定書は、裁判を行う際の基準を示しました。財政を立て直すだけでなく、人々の訴えや救済、役人の判断を扱う仕組みが整えられたのです。米を中心とする収入を保ちながら、貨幣による取引が広がる社会へ対応することが改革の課題でした。
田沼が商業を収入へ結び付ける
第10代将軍徳川家治のもとで老中となった田沼意次は、商業活動を幕府の財政に利用しました。株仲間は同業者が営業の権利を共有する組織で、幕府などに税を納めました。商人の組織を認めて収入を得る方法は、農業と年貢だけに依存する仕組みを補いました。ただし株仲間の活動と、幕府が特定の商品を直接管理する政策は区別されます。
銅座・真鍮座・朝鮮人参座などを設け、商品の取引を管理した制度が専売制です。取り扱う商品や業者を定めて利益を収入につなげる方法でした。商品経済の広がりを利用した政策が進む一方、災害や飢饉は農村と都市の生活を圧迫しました。食料の不足と価格の上昇は幕府の収入にも人々の暮らしにも影響し、政治への不満と政権内部の変化が田沼の失脚につながりました。
定信の救済と統制
1787年、第11代将軍徳川家斉の初期に松平定信が老中となり、寛政の改革を始めました。倹約を求め、困窮や飢饉に備える政策を進めました。1789年の棄捐令は旗本・御家人の借金負担を軽減しましたが、貸す側の権利にも影響しました。江戸では費用を節約し、その一部を救済のために蓄える七分積金が設けられました。支出を減らすことと、困窮時に使う資金を持つことが結び付きました。
1790年の寛政異学の禁は、幕府の学問所で朱子学以外の教授を禁じました。政治を担う人々の学問を統制する政策で、民間のあらゆる学問がその日に禁止されたわけではありません。改革には救済とともに規制の側面があり、社会の変化を倹約や秩序の立て直しで抑えようとしました。取引と生産が広がる中で、従来の身分の役割を保つことは次第に難しくなりました。
天保の改革と地域の社会
1837年、大坂の元町奉行所与力大塩平八郎は、困窮する人々の救済を求めて蜂起しました。1841年、第12代将軍徳川家慶のもとで水野忠邦が天保の改革を始め、倹約や物価対策を進めました。人返しの法は都市へ流入した農民を農村へ戻そうとする命令です。上知令は江戸・大坂周辺の土地を幕府の直轄地へ組み替える政策でしたが、大名などの反発で実現しませんでした。
農村では商人が原料を配って製品を回収する問屋制家内工業に加え、労働者を一か所へ集めて分業する工場制手工業も発達しました。生産と販売の関係は広い地域へ及び、都市から農民を戻すだけでは元の生活に戻りません。諸藩も産業や財政の改革を進めました。飢饉、一揆、都市の打ちこわしは、人々が生活の負担や流通の問題に集団で対応する行動として広がりました。
各地の藩は、領内の産物を販売したり、支出を削減したりして財政を確保しました。村の人々も販売する商品を作り、商人との関係を深めました。こうした地域の経済は、米価や都市の需要、海運による輸送の影響を受けました。幕府が全国の秩序を保とうとする政策と、各藩が収入を増やす政策、人々が生活を守るための行動は、常に同じ方向に動いたわけではありません。改革の成否は命令の内容だけでなく、取引や労働、地域の利害を調整できるかにも左右されました。
国学・蘭学と出版文化
本居宣長は古事記伝を著し、古典を研究する国学を発展させました。杉田玄白は前野良沢らとともに解体新書の翻訳に関わり、1774年に刊行しました。蘭学は西洋の医学などの知識を取り入れ、翻訳や実際の観察を通して学問を広げました。藩校や寺子屋の教育、書物の出版も知識を伝える基盤で、学習の場は幕府の学問所だけではありませんでした。
庶民の読書や旅への関心は、文学と浮世絵の需要を増やしました。葛飾北斎の富嶽三十六景と歌川広重の東海道五十三次は、名所や風景を広い人々へ届けました。広重には安藤広重という表記もあります。商品を生産する農村、消費する都市、出版や教育によって知識を持つ人々が結び付き、幕末に向かう社会の基盤が変化しました。外国船への幕府の対応は、次の第16章に続きます。
一問一答
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